EXPANSION20周年記念最後のコラボレーションのパーカーがリリースしました。
クラシックミュージックシリーズ3段目。EXPANSIONのロゴとHIP HOPの名曲のタイトルが前身にプリントされているシリーズです。
1作目のコラボレーションはラッパーのDEVLARGE氏の曲『盲目時代』、2作目がラッパーのLARGE PROの曲『Ijuswannachill』。
今回リリースしたのが3作目がMURO from MICROPHONE PAGERの名曲『感謝』を起用。
後身にDJ MURO氏のクラシック・ミックステープ作品、1997年に発売された『KING OF DIGGIN `Vol.2』のアメリカ版の表紙がプリントされております。この表紙のMURO氏の写真を撮ったのが私で、ミックステープのデザインはELEMENTS OF STYLEのアートワークです。
1)MICROPHONE PAGERとは92年に結成された日本語ラップ・グループ。日本語ラップの歴史にて最も重要なグループだと言っても過言では無いと思います。当時から現在に至るまでMICROPHONE PAGERに多大な影響を受けたラッパーは数知れない。
2)DJ MURO『KING OF DIGGIN `Vol.2』ミックステープ。
ミックス・テープとはDJなどが本来はパーティーで流した音源をカセットテープに録音して売っていたもの。そんな中、MURO氏がHIP HOPの楽曲がサンプリングされたオリジナルの曲を集めた作品『KING OF DIGGIN `Vol.2』が96年にリリース。サンプリングとは楽曲の”一部分”を使うことによって、新しいHIP HOPの音楽を作るシステムの事。MURO氏の『KING OF DIGGIN` Vol.1と`Vol.2』はHIP HOPを知らない人々からもとても聞きやすいミックス・テープと評価を受けアメリカやUKでも評判になった。
今年、皆様のお陰で創業20年を迎えることが出来ました。
20年も好き勝手にやらせてもらえているのは、私の嫁の我慢とサポート。そして私の両親、友人、関係者のお陰で継続させてもらっております。
『感謝』しております。
私自身、EXPANSION NYを始める前は渋谷サベージ(MURO氏が経営していたセレクトショップ)のバイヤーをN Yを拠点に4年勤務させてもらいました。
現在もですが、MURO氏には大変お世話になっております。アパレル・ストリート文化・HIP HOP・人間の優しさなど色々教えてもらっております。
そんなMURO氏との出会いは、私がNYのアップタウンにあったセレクトショップ『SLAM』の店員の頃です。当時90年代、NY HIP HOPはゴールデンエージの時代。NYの犯罪率は減少するが低所得者の雇用は厳しく麻薬を売って生活する若者が多い時代。ナズ、ウータン・クラン、ジェイ・Zやノトーリアス・B.I.G、モブ・ディープ、ダックダウンなどのNYのラッパーが大人気。かなりとんがっていた時代です。音楽と時代が比例する時期でもある。
私は92年ごろ初めて日本語ラップを聴いた時の印象は『マス向け』!私的には好みでは無い音楽とカルチャーだったと言う印象でした。
そんななか、いつものようにショップにて勤務。上司のギリアンが日本語ラップのBGMを流した。その曲を聴いて、私は鳥肌が経ちました。そうです、その曲が今回リリースした、前見にプリントされているMURO from MICROPHONE PAGERの『感謝』です。意見や主義を強く主張したMURO氏のリリックとビートに感銘を受けました。
その後、MURO氏とお店でお話しする機会があり、今の関係が出来上がりました。
コラボ、発売中です。宜しくお願いします。
Portrait Photo by masta
写真:須田俊哉